【条文順通関士講座】通関士試験前日まで、あと20週(仮)【プラス】

1.今回の内容

「関税定率法 ②課税価格決定の原則」をマスターする!

・基礎動画

【条文順 通関士講座】通関士試験前日まで、あと20週(仮)

・関連資料

【通達】

(現実支払価格の意義及び取扱い)

4-2 法第4条第1項に規定する「現実に支払われた又は支払われるべき価格」(以下「現実支払価格」という。)の意義及び取扱いについては、次による。

(1) 略
(2) 令第1条の4各号に掲げる現実支払価格に含まれない費用等の取扱いは、次による。
 イ 令第1条の4第1号に規定する「据付け」に要する役務の費用は、輸入貨物の据付作業の一環として当該輸入貨物の輸入前に本邦において行われる役務(例えば、据付用土台の設置作業)の費用を含む。
 ロ~ハ 略
(3)~(5) 略

 

(別払金等がある場合の現実支払価格の算出)

4-2の2 輸入貨物の輸入取引に係る仕入書価格と現実支払価格が一致しないこととなる場合の取扱いは、前記4-2(3)によるほか、次に定めるところによる。
(1) 輸入貨物に係る仕入書価格の支払に加えて、当該輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて当該輸入貨物の輸入取引をするために買手により売手に対し又は売手のために行われる何らかの支払(以下「別払金」という。)がある場合の現実支払価格は、当該仕入書価格に別払金を加えた価格である。
(2) 買手による輸入貨物に係る仕入書価格の支払後に、当該輸入貨物の輸入取引に付されている価格調整条項の適用等により当該輸入貨物に係る価格について調整が行われ、別払金の支払が行われる場合の現実支払価格は、当該仕入書価格に当該別払金を加えた価格である。当該輸入貨物に係る関税法第7条第1項((申告))に規定する申告(以下「納税申告」という。)が行われた後に当該調整が行われ、別払金の支払が行われたときも同様である。
 (注) この場合は、関税法第7条の14((修正申告))の規定により当該納税申告に係る課税標準又は税額(以下「税額等」という。)を修正する申告がされなければ、同法第7条の16((更正及び決定))の規定により当該税額等を更正することとなることに留意する。
(3) ~(4) 略

 

(輸入貨物に係る検査費用の取扱い)

4-2の3 輸出国における輸入貨物の検査に要する費用の取扱いは、(1)から(3)までによる。
この場合において「検査」とは、輸入貨物が売買契約に定める品質、規格、純度、数量等に合致しているか否かを確認するための検査又は分析をいう。
(1)~(2) 略
(3) 輸入貨物の製造過程において買手が検査を行う場合、当該検査に要する費用は、課税価格に算入しない。ただし、検査と合わせて製造作業に従事している場合は、当該業務を行う者に係る費用は売手のために行われた間接支払に該当するので留意する。なお、「製造作業」及び「当該業務を行う者に係る費用」とは、次のような作業及び費用をいう。
 イ 製造作業
  (イ) 加工又は生産のための作業
  (ロ) 加工又は生産のための運搬等
 ロ 当該業務を行う者に係る費用
  (イ) 渡航費(支度金を含む。)
  (ロ) 滞在費
  (ハ) 賃金等(直接労務費に相当する費用)

 

(輸入貨物に係る保証費用の取扱い)

4-2の4 輸入貨物に係る保証費用の取扱いは、(1)から(4)までによる。この場合において「保証」とは、当事者間で合意された所定の条件を満たす場合に行われる対象貨物に係る瑕疵の是正(修繕、取替え又はそれらに要した費用の補填)をいい、いわゆるワランティ(Warranty)又はギャランティ(Guarantee)と称されるものがこれに該当する。なお、輸入貨物が輸入された後、当該輸入貨物に係る保証の履行として当該輸入貨物の買手に対して交換部品等が外国から無償で提供される場合、当該部品等は輸入取引により輸入される貨物には該当せず、当該部品等の課税価格は法第4条の2以下の規定により計算する。
(1) 輸入貨物の輸入取引に係る契約において売手が買手に対して当該輸入貨物に係る保証を履行することとなっている場合で、売手が負担する当該保証の費用を考慮して当該輸入貨物の価格が設定されているときは、当該費用は現実支払価格に含まれ、その額を明らかにすることができる場合であっても、現実支払価格から控除しない。また、売手が当該費用を買手に対して仕入書価格とは別に請求し、買手が当該費用を支払う場合は、当該費用の額は仕入書価格に加算され、現実支払価格に含まれる。
(2)~(4) 略

 

(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)

4-8 法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(2) 略
(3) 「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用をいい、当該輸入貨物の輸出港までの運送費用を含み、次に掲げる場合には、それぞれに定めるところによる。
 イ 輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合は、当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいい、次の(イ)から(ハ)に掲げる費用を含む。
    なお、輸入貨物が最低運賃(Minimum Freight)又はパーセル運賃(Parcel Freight)が適用される少量貨物である場合は、実際に支払われる当該最低運賃又はパーセル運賃をいう。
    また、輸入貨物が積載数量を特約した航海用船契約に基づき運送された場合は、実際の積載数量が当該特約数量に満たなかったときであっても、当該契約に基づき実際に支払われた運賃をいう。ただし、実際の積載数量が特約数量より著しく少ない場合には、当該支払われた運賃に合理的な調整を加えて「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」(後記(8)参照)を計算する。
  (イ) 輸入貨物を運送するために要した積付資材費、船舶改装費等の費用
   (注) 当該費用が2回以上の運送のためのものであるときは、原則として、運送回数、数量等を考慮してあん分した当該運送に要した額
  (ロ)~(ハ) 略
 ロ~ヘ 略
(4) 略
(5) 「その他当該運送に関連する費用」とは、輸入貨物の輸入港までの運送に付随して発生する積卸しその他の役務の対価として支払われる費用をいい、次に掲げる費用を含む。
 イ 輸出国における積込み前の一時的保管料
  例えば、輸出国の工場渡価格で購入された貨物が、船積予定船の到着遅延により、当該船舶が到着するまでの間一時的に輸出港で保管される場合の当該保管に要する費用
 ロ 輸出の際に税関手続等に要した費用
 ハ 輸出国において要したコンテナー・サービス・チャージ
(6) 輸入港までの運賃等は、買手により負担されるものであるか否かを問わず、現実支払価格に含まれていない限度において、当該現実支払価格に加算する。例えば、次に掲げる場合は、それぞれに定めるところにより取り扱う。
 イ 輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を売手が負担することとされている場合(CFR又は CIF契約等の場合)は、当該運賃は現実支払価格に含まれているものとして取り扱い、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を確認することは要しない。ただし、買手が現実支払価格のほかに当該輸入貨物の輸入港までの運送費用を別途負担するときは、買手による当該別途負担額を当該現実支払価格に加算する。
 ロ 輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を買手が負担することとされている場合(FOB契約等の場合)は、当該運賃は現実支払価格に含まれていないものとして取り扱い、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を、その負担者を問わず、当該現実支払価格に加算する。
 ハ 輸入取引に係る契約において船舶により運送されることとされていた輸入貨物が航空機によって運送された場合の取扱いは、法第4条の6第1項((航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例))の規定の適用を受ける場合を除き、次による。
  (イ) 当該契約において売手が輸入港までの運賃を負担することとされていた場合(CFR又はCIF契約等の場合)は、当該運送方法の変更に伴う費用を買手が負担するときは、買手による当該負担額を現実支払価格に加算するが、当該運送方法の変更に伴う費用を売手が負担するときは、売手による当該負担額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱う。
  (ロ) 当該契約において買手が輸入港までの運賃を負担することとされていた場合(FOB契約等の場合)は、当該運送方法の変更に伴う費用の額を、その負担者を問わず、現実支払価格に加算する。ただし、当該運送方法の変更に伴う費用が、当該契約における取決めに従って売手により負担される場合は、売手による当該負担額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱う。
(7) 輸入港までの運賃等は、次に掲げるような輸入貨物の輸入港到着後の運賃等を含まない。ただし、当該輸入港到着後の運賃等の額が明らかでなく、当該明らかでない額を含んだものとしてでなければ把握できない場合は、当該明らかでない額を含んだ額を輸入港までの運賃等として取り扱う。
 イ 輸入港における船卸し等の費用(例えば、船内荷役、沿岸荷役その他これらに類する荷役のための費用)
 ロ 輸入港到着後に行われた船舶の復旧に係る費用
 ハ 国内運賃
 ニ 航海用船契約に基づき輸入貨物の運送をした船舶の復路の空船回漕料
 ホ 輸入税保険(Duty Insurance)に係る保険料
 ヘ 国内運送に係る保険料
 ト 輸入貨物の運送に関連する「着払運賃取扱料」(Collect Charge)及び「立替手数料」(Disbursement Fee)
(8) 輸入港までの運賃等は、輸入貨物(法第4条の6第1項((航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例))に規定する貨物に該当するものは除く。)の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃等の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合には、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等による(令第1条の5第1項)。
 この場合において、「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」とは、当該貨物の種類及び数量並びに運送条件(運送手段の種類、運送経路等をいう。)等を勘案して、通常必要とされると認められる輸入港までの運送のための運賃等をいい、例えば、次に掲げる場合は、「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合」に該当するものとして、それぞれに定める運賃等を「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」として取り扱う。
 イ 輸入貨物の輸入取引に係る契約(運送条項を含む契約に限る。)又は輸入貨物の運送契約の成立の時以後に、天災、戦争、動乱、港湾ストライキ等当該貨物の輸出者(売手を含む。)又は輸入者(買手を含む。)の責めに帰し難い理由により、当該契約に基づく運送方法及び運送経路により運送することができなかった場合・・・・・・実際の運送方法及び運送経路のいかんにかかわらず、当該契約が前提とする運送方法及び運送経路により運送されたものとした場合の通常の運賃
 ロ 運送契約に係る揚港若しくは入港順位を変更し、又は積港若しくは揚港を追加したため割増料金を支払っている場合において、当該割増料金の額が、変更後の揚港で船卸し等をし若しくは変更後の入港順位で寄港し、又は追加後の積港若しくは揚港で積込み若しくは船卸し等をすることを条件として運送契約をしていたものとした場合に支払うことを要したと認められる割増料金の額(例えば、運送距離の増加により必要とされる額)を著しく超えることとなった場合・・・・当該支払うことを要したと認められる割増料金の額(後記(注) 参照)
 この場合において、当該支払うことを要したと認められる割増料金の額は、原則として、当該変更又は追加に係る貨物の課税価格に含めるものとするが、運送委託者からこれと異なる運賃の計算について申出(運送委託者が複数の場合には、全運送委託者の合意に基づく申出)があり、課税上支障がないと認められるときは、当該申出に係る計算方法によって差し支えない。
 (注) 当初から当該変更後又は追加後の条件により運送契約をしていたものとした場合に支払うことを要しなかったと認められる額(例えば、揚地変更に伴う荷繰りに要する費用)は、通常必要とされる運賃等に含まれない。

 

(課税価格に含まれる仲介料その他の手数料)

4-9 法第4条第1項第2号イに規定する「仲介料その他の手数料(買付けに関し当該買手を代理する者に対し、当該買付けに係る業務の対価として支払われるものを除く。)」の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(2) 略
(3) 買付手数料に該当するか否かの判断は、契約書等における名称のみによるものではなく、手数料を受領する者が輸入取引において果たしている役割及び提供している役務の性質を考慮して行うものとし、具体的には、イからハまでによる。
 (注) 買付手数料は、通常、貨物代金とは別に支払われること、また、その額は、通常、手数料を受領する者が輸入貨物の買付けに関し買手を代理して行う業務の内容に応じ当該輸入貨物代金に対する百分率として約定されることに留意する。
 イ 手数料を受領する者が「買付けに関し買手を代理して当該買付けに係る業務を行う者」であることが、買付委託契約書等の文書により明らかであること
   この場合において、「買付けに関し買手を代理して当該買付けに係る業務を行う者」とは、買手の管理の下で、買手の計算と危険負担により(イ)から(ニ)までのような業務を行う者をいう。ただし、当該手数料を受領する者が一の輸入取引に関し売手と買手の双方を代理している場合には、当該手数料は買付手数料には該当せず、課税価格に算入する手数料となる。
   (注) 当該手数料を受領する者が売手又は売手と特殊関係にある者と特殊関係にある場合には、売手の計算と危険負担の下で活動している可能性が高いことに留意する。
  (イ)~(ハ) 略
  (ニ) その他(例えば、クレーム処理に関する交渉を行う業務)
 ロ~ハ 略

 

(課税価格に含まれる物品又は役務に要する費用)

4-12 法第4条第1項第3号の費用に関する取扱いについては、次による。

(1) 法第4条第1項第3号イに規定する「材料、部分品又はこれらに類するもの」には、商標ラベル、商品ラベル等(我が国の法律等に基づき表示することが義務付けられている品質表示が併せて表示されているものを含む。)を含むものとする。ただし、食品衛生法に基づく品名、原産国、原材料等の表示ラベル、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品に対する品質、洗濯ラベル等我が国の法律等に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルは含まないものとし、当該ラベルに要する費用の額は課税価格に算入しないものとする。
(2) 略
(3) 法第4条第1項第3号ハに規定する「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」には、燃料、触媒等を含むものとする。
(4)~(6) 略

 

(課税価格に含まれる特許権等の対価)

4―13 法第4条第1項第4号に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(4) 略
(5) 「輸入貨物を本邦において複製する権利」(以下「複製する権利」という。)とは、輸入貨物を本邦において物理的に複製する権利その他の輸入貨物に化体され又は表現されている考案、創作等を本邦において複製する権利をいい、例えば、次に掲げる権利がこれに該当する。

なお、複製する権利の取扱いに際しては、複製することが複製する権利の対象であること、複製する権利が売買契約その他契約で買手に付与されていること及び複製する権利を有する者(当該者から再許諾権を付与された者を含む)が複製する権利の対価の支払を要求していることについて確認すべきことに留意する。
 イ~ハ 略
 ニ 意匠が実施されているおもちゃの原型が輸入された場合において、当該原型を使用して、同じものを本邦において製造する権利
 ホ~ワ 略
(6) 略

 

2.確認問題

第1問 次の記述は、関税定率法第4条第1項(課税価格の決定の原則)の規定に基づく課税価格の計算に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。(48-27改)

1 輸入貨物の課税価格には、当該輸入貨物の輸出国における積込み前の一時的保管料を含む、当該輸入貨物の輸入港までの運送に付随して発生する積卸しその他の役務の対価として支払われる費用が含まれる。

2 輸入貨物の輸入港までの輸送に実際に要した運賃等の額が、当該輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を超えるときは、関税定率法第4条の6第1項(航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例)に規定する貨物に該当する場合を除き、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等を同法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等として、当該輸入貨物の課税価格を計算する。

3 買手による輸入貨物に係る仕入書価格の支払後に、当該輸入貨物の輸入取引に付されている価格調整条項の適用により当該輸入貨物に係る価格について調整が行われ、その調整により別払金の支払が行われる場合の現実支払価格は、当該仕入書価格に当該別払金を加えた価格である。

4 輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合には、当該輸入貨物を運送するために要した船舶改装費は、当該輸入貨物の課税価格に含める。

5 輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を買手が負担することとされている場合には、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を、その負担者を問わず、当該輸入貨物の課税価格に含める。

 

第2問 次の記述は、関税定率法第4条(課税価格の決定の原則)の規定に基づく課税価格の計算に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。(49-23改)

1 輸出国における輸入貨物の製造過程において買手が検査を行う場合、買手が当該検査と合わせて加工又は生産のための運搬に従事しているときは、当該検査を行う者の賃金は、課税価格に算入する。

2 輸入貨物の据付作業の一環として、当該輸入貨物の輸入申告の日の前に行われる当該輸入貨物の据付け土台の設置作業の費用は、課税価格に算入しない。

3 本邦にある者が、外国にある者に間接的に材料を提供し且つ当該材料を加工することを委託した場合、当該委託をした本邦にある者が当該委託を受けた外国にある者から当該加工によってできた製品を取得することを内容とする両者の間の取引に基づき当該製品が本邦に到着することとなるときには、当該委託をした本邦にある者を買手とみなして、関税定率法第4条第1項及び第2項の規定を適用して課税価格の決定が行われる。

4 輸入貨物に係る仕入書価格の支払いに加えて、当該輸入貨物に係る取引の状況からみて、割増金が当該輸入貨物の輸入取引をするために支払われる場合には、当該仕入書価格に当該割増金を加えた価格が関税定率法第4条第1項に規定する現実に支払われた又は支払われるべき価格(以下「現実支払価格」という。)となる。

5 輸入貨物の輸入取引に係る契約において売手が買手に対して当該輸入貨物に係る保証を履行することとなっている場合で、売手が負担する当該保証の費用を考慮して当該輸入貨物の価格が設定されているが当該費用の額を明らかにすることができるときは、当該費用は現実支払価格から控除して計算する。

 

第3問 次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。

1 輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料のうち、専ら買手の管理の下で買手の計算と危険負担により、買付けに係るクレーム処理に関する交渉を行う業務をする者に対し、当該業務の対価として支払われるものの額は課税価格に含まれない。

2 輸入貨物である繊維製品の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された物品のうち、当該繊維製品に縫い付けられている我が国の法律に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルに要する費用の額は課税価格に含まれない。

3 売手が権利を所有する意匠が実施されているおもちゃの原型が輸入された場合において、買手が当該売手に対して、当該原型の代金とは別に当該原型を使用して同じおもちゃを本邦において製造する権利の対価を支払っているときは、当該対価は当該原型の課税価格に含まれる。

4 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により売手に無償で燃料が提供された場合において、当該燃料が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたときは、当該燃料に要する費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれない。

5 輸入貨物に係る輸入港における船卸しの費用は、その額が明らかである場合には、当該輸入貨物の課税価格に算入されない。

 

【通達チェック】

①外国の一の居住者(以下「甲」という。)と本邦の一の居住者(以下「乙」という。)との間で貨物を本邦に到着させることを目的とした売買契約が締結された後、乙と本邦の乙以外の一の居住者(以下「丙」という。)との間で当該貨物を本邦に到着させることを目的とした売買契約が締結され、乙の指示により、当該貨物が甲から丙へ向けて輸出され、丙により輸入された場合は、甲と乙との間の売買が輸入取引となる。

②輸入貨物に係る仕入書価格の支払に加えて、当該輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて割増金、契約料等が当該輸入貨物の輸入取引をするために支払われる場合の現実支払価格は、仕入書価格に割増金、契約料等を加えた価格である。

③輸入貨物の輸入取引に係る契約において現金値引きが取り決められている場合、当該輸入貨物に係る納税申告の時までに当該値引き後の価格が買手により現実に支払われているときは、当該値引き後の価格が現実支払価格となる。

 

3.次回の内容

「関税定率法 ③課税価格決定の例外」をマスターする!

・基礎動画

【条文順 通関士講座】通関士試験前日まで、あと19週(仮)