【条文順通関士講座】通関士試験前日まで、あと19週(仮)【プラス】

1.今回の内容

「関税定率法 ③課税価格の決定の例外」をマスターする!

・基礎動画

【条文順 通関士講座】通関士試験前日まで、あと19週(仮)

・関連資料

【通達】

(国内販売価格に基づく課税価格の決定)

4の3-1 法第4条の3第1項の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。

(1)~(2) 略

(3)「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する期間内」とは、「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する日」とし、これによることができないときは、「当該課税物件確定の時の属する日後90日以内の最も早い日」とするが(令第1条の11第1項)、この場合における「近接する日」とは、おおむね、当該課税物件確定の時の属する日の前後1月以内の日をいうものとし、「最も早い日」とは、当該輸入貨物又はこれと同種若しくは類似の貨物がこれらの貨物の単価を確定するに足りる数量で国内において販売されるに至った日をいう。

(4)「同類の貨物」には、輸入貨物の場合と同一の国以外の国から輸入された貨物を含む。

(5)~(7) 略

 

(製造原価に基づく課税価格の決定)

4の3-2 法第4条の3第2項の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。

(1)「製造原価」は、生産者(法第4条の3第2項に規定する輸入貨物の生産者をいう。以下この項において同じ。)により又は生産者のために提供された輸入貨物の生産に関する資料、特に、生産者の商業帳簿に基づくものによることとする。なお、「製造原価」の確認に当たっては、外国にある者に対し、商業帳簿その他の記録を検査のために提出し又は開示することを要求し又は強制しないものとする。ただし、提出された資料について確認することにつき、輸入貨物の生産者が同意を与え、かつ、当該輸入貨物の生産に係る国の政府が反対しないときは、当該国において必要な確認を行うことができるので留意する。

(2)「製造原価」には、法第4条第1項第2号ロ及びハに掲げる容器及び包装の費用並びに同項第3号に掲げる物品及び役務の費用を含むものとし、本邦で開発された技術、設計、考案、意匠又は工芸に要する費用であっても、生産者がこれを負担した場合には、当該負担した額を含むものとする。

(3)「同類の貨物」は、輸入貨物の場合と同一の国から輸入される貨物に限るものとする。

(4) 略

(5)輸入者と生産者との間に仲介者、代理人等が存在する場合には、法第4条の3第2項に規定する「生産者との間の当該輸入貨物に係る取引に基づき当該輸入貨物が本邦に到着することとなる場合」として取り扱わないこととなるので留意する。

 

(航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例)

4の6-1 法第4条の6第1項に規定する貨物で政令で定めることとされている貨物の範囲は、令第1条の13第2項に定められているが、これらの条項に関する用語の意義は、次による。

(1)法第4条の6第1項に規定する「航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料」とは、航空機以外の運送手段(船舶、鉄道等)による通常の運賃及び保険料をいい、実務上の取扱いは、原則として、船舶による通常の運賃及び保険料によって処理して差し支えないが、この場合においては、航空機への積込地までの陸路の運賃及び保険料と通常の船積港までの陸路の運賃及び保険料との差額の加算又は減算を必要とする場合があるので留意する(例えば、アメリカ中央部から直接本邦まで空路運送された場合には、アメリカ大陸内の陸路による運賃及び保険料とアメリカの船積港から本邦までの海路運賃及び保険料との合計額となる。)。航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料は、運賃率表及び保険料率表等の資料により輸入貨物に係る単位当たりの当該運賃及び保険料を求め、これに基づいて算出する。ただし、令第1条の13第2項第6号に該当する貨物については、当該貨物を運送するために当初手配されていた運送方法に係る運賃及び保険料の額による。なお、上記により算出することが困難な場合で、輸入者が、輸入申告実績に基づき通常要すると認められる運賃及び保険料の額として税関長が公示する額を当該輸入貨物に係る運賃及び保険料として納税申告を行うときは、これを認めて差し支えないこととする(令第1条の13第2項第6号に該当する貨物を除く。)。

(2)~(3) 略

(4)法第4条の6第1項に規定する「見本」とは、注文の取集めのための商品見本、市場の需要傾向の調査若しくは製作の資料とするためのし好調査等のために使用する物品、販売する機械を用いて作られた試作品であって当該機械の性能を認識させるためのもの、製作見本又はこれらに類するものをいう。

(5)~(8) 略

(9)令第1条の13第2項第3号に規定する「航空機用品」には、航空機上において使用される物品のほか、航空機の発着に伴い使用される旅客の乗降用、貨物の積卸用又は航空機の運航準備作業若しくは地上誘導用の機器類及びこれらの部分品を含む。

(10)~(14) 略

 

(輸入者等の個人的な使用に供される輸入貨物に係る課税価格の決定の特例)

4の6-2 法第4条の6第2項の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。

(1)「本邦に入国する者により携帯して輸入される貨物」には、令第14条《別送する携帯品又は引越荷物の免税の手続》の手続を経て別送により輸入される貨物を含む。

(2)「その他その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物」とは、一般消費者が通信販売により輸入する貨物、外国に所在する知人に購入依頼して輸入する貨物等をいう。

(3)~(4) 略

 

2.確認問題

第1問 次の記述は、関税定率法第4条の3に規定する国内販売価格又は製造原価に基づく課税価格の決定に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を記入しなさい。(47-5改)

輸入申告の時における性質及び形状により当該輸入貨物の課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する期間内に国内における売手と特殊関係のない買手に対し国内において販売された輸入貨物又はこれと同種若しくは類似の貨物に係る国内販売価格に基づき課税価格を計算する場合には、当該輸入貨物と同類の貨物で輸入されたものの国内における( イ )に係る通常の( ロ )又は利潤及び一般経費は、当該国内販売価格から控除することとされている。

なお、「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する期間内」とは、「課税物件確定の時の属する日又はこれに近接する日」とし、これによることができないときは、「当該課税物件確定の時の属する日後( ハ )以内の最も早い日」とするが、この場合における「近接する日」とは、おおむね、当該課税物件確定の時の属する日の前後( ニ )以内の日をいうものとし、「最も早い日」とは、当該輸入貨物又はこれと同種若しくは類似の貨物がこれらの貨物の単価を確定するに足りる数量で( ホ )をいう。

 

第2問 次の記述は、関税定率法第4条の3第2項に規定する製造原価に基づく課税価格の決定に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選びなさい。(49-14)

1 輸入貨物の輸入者と生産者との間に代理人が存在する場合には、当該輸入貨物の製造原価を確認できるときであっても、当該製造原価に基づいて当該輸入貨物の課税価格を決定できない。

2 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、当該輸入貨物の生産のために使用された鋳型が、買手により無償で提供された場合、その費用は当該輸入貨物の製造原価に含まれない。

3 輸入貨物の本邦の輸入港までの運賃は、当該輸入貨物の製造原価に基づき課税価格を決定する場合であっても、当該輸入貨物の課税価格に算入されない。

4 輸入貨物の課税価格の決定にあたっては、当該輸入貨物の製造原価に当該輸入貨物と同類の貨物の本邦への輸出のための販売に係る通常の利潤及び一般経費を加えるが、ここでいう同類の貨物は、当該輸入貨物の場合と同一の国から輸入される貨物に限られる。

5 輸入貨物の製造原価に関して、生産者により提供された当該輸入貨物の生産に関する資料について確認することにつき、当該輸入貨物の生産者から同意を得られたことのみをもって、当該輸入貨物の生産国において必要な確認を行うことができる。

 

第3問 次の記述は、関税定率法第4条の6(航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例)の規定に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。

1 修繕又は取替えのため無償で輸入される物品がアメリカ中央部から直接本邦まで空路運送された場合、輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、アメリカ大陸内の陸路による運賃及び保険料とアメリカの船積港から本邦までの海路運賃及び保険料との合計額となる。

2 航空機により運送された輸入貨物のうち、市場の需要傾向の調査若しくは製作の資料とするためのし好調査等のために使用する無償の物品で、その航空機による運賃及び保険料により計算した場合の課税価格が10万円のものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。

3 関税定率法施行令第14条(別送する携帯品又は引越荷物の免税の手続)の手続を経て別送により輸入される貨物で、当該貨物の輸入者の個人的な使用に供されると認められるものであるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格とする。

4 航空機により運送された輸入貨物のうち、本邦において航空運送事業を営む者が当該事業に使用するため輸入する地上誘導用の機器類で、その者の当該事業に使用する航空機によって運送されたもので、航空機による運賃及び保険料に基づいて算出した課税価格の総額が10万円のものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。

5 本邦に入国する者により携帯して輸入される貨物その他その輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物で、当該貨物の輸入者の個人的な使用に供されると認められるものであるときは、当該輸入貨物の課税価格は、当該貨物の輸入が通常の卸取引の段階でされたとした場合の価格とされるが、当該「輸入取引が小売取引の段階によるものと認められる貨物」に一般消費者が通信販売により輸入する貨物は含まれない。

 

【通達チェック】

①関税定率法第4条の3第1項第1号(国内販売価格に基づく課税価格の決定)の規定により計算する場合において、輸入貨物の輸入者が輸入した同種の貨物の国内販売価格と他の輸入者が輸入した同種の貨物の国内販売価格の双方があるときは、双方の価格を比較してより大きい価格を優先する。

関税定率法第4条の3第2項(製造原価に基づく課税価格の決定)に基づき製造原価により課税価格を計算する場合において、当該製造原価の確認に当たっては、外国にある者は商業帳簿その他の記録を検査のために提出し又は開示しなければならない。

 

3.次回の内容

「関税定率法 ④特殊関税」をマスターする!

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