1.今回の内容
「関税法 ⑨納期限・法定納期限」をマスターする!
・条文の確認
[関税法]第2条の3(災害等による期限の延長)
財務大臣又は税関長は、災害その他やむを得ない理由(災害等)により、関税法又は関税定率法その他の関税に関する法律に基づく申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限までにこれらの行為をすることができないと認めるときは、………当該災害等のやんだ日から2月以内に限り、当該期限を延長することができる。
[関税法]第9条(申告納税方式による関税等の納付)
1 納税申告をした者は、次項の規定に該当する場合を除き、その申告に係る書面又は更正通知書に記載された納付すべき税額に相当する関税を、当該申告に係る貨物を輸入する日までに国に納付しなければならない。
2 次の各号に掲げる税額に相当する関税の納税義務者は、その関税を当該各号に掲げる日又は期限までに国に納付しなければならない。
①期限内特例申告書に記載された納付すべき税額………特例申告書の提出期限
②期限後特例申告書に記載された納付すべき税額………当該期限後特例申告書を提出した日
③輸入許可前引取承認を受けて引き取られた貨物に係る関税につき、第7条の17の書面に記載された申告に係る税額又は当該貨物の輸入の許可前にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額(先の納税申告に係る税額のうち未納のものを含む。)………これらの書類が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日
④輸入の許可後にした修正申告に係る書面に記載された納付すべき税額………当該修正申告をした日
⑤輸入の許可後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額………当該更正通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日
⑥決定通知書に記載された納付すべき税額………当該決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日
⑦決定がされた後にされた更正に係る更正通知書に記載された納付すべき税額………当該更正通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日
3 過少申告加算税又は過少申告重加算税に係る賦課決定通知書を受けた者は、当該通知書に記載された金額の過少申告加算税又は過少申告重加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日と当該過少申告加算税又は過少申告重加算税の納付の起因となった関税に係る貨物の輸入の許可の日とのいずれか遅い日までに納付しなければならない。
4 無申告加算税又は無申告重加算税に係る賦課決定通知書を受けた者は、当該通知書に記載された金額の無申告加算税又は無申告重加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならない。
[関税法]第9条の2(納期限の延長)
1 申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者が輸入申告書を提出した場合において、納期限に関し、その延長を受けたい旨の申請書を輸入申告書を提出した税関長に提出し、かつ、当該輸入申告書に記載した関税額の全部又は一部に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、………当該関税額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、その納期限を3月以内に限り延長することができる。
2 申告納税方式が適用される貨物(特例申告貨物を除く。)を輸入しようとする者が、特定月において輸入しようとする貨物に課されるべき関税の納期限に関し、特定月の前月末日までにその延長を受けたい旨の申請書を当該貨物に係る輸入申告をする税関長に提出し、かつ、当該貨物に係る関税額の合計額に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、特定月においてその者が輸入する貨物に係る関税については、………特定月における関税額の累計額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、その納期限を特定月の末日の翌日から3月以内に限り延長することができる。
3 特例輸入者又は特例委託輸入者が、期限内特例申告書を提出した場合において、………関税を納付すべき期限に関し、特例申告書の提出期限までにその延長を受けたい旨の申請書を………税関長に提出し、かつ、当該期限内特例申告書に記載した関税額の全部又は一部に相当する額の担保を当該税関長に提供したときは、当該税関長は、………当該関税額が当該提供された担保の額を超えない範囲内において、当該納付すべき期限を2月以内に限り延長することができる。
4 略
[関税法]第9条の3(納税の告知)
1 税関長は、賦課課税方式による関税で、次に掲げる関税以外のものを徴収しようとするときは、納税の告知をしなければならない。
①郵便物の関税
②貨物の公売又は売却による代金をもって充てる関税
③過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税
2 前項の規定による納税の告知は、税関長が、………納付すべき税額、納期限及び納付場所を記載した納税告知書を送達して行う。ただし、本国に入国する者の携帯品・別送品等一定の場合には、当該告知書の送達に代えて、税関職員に口頭で当該告知をさせることができる。
納税告知書に記載すべき納期限……… ①本国に入国する者の携帯品・別送品に係る関税又は関税法・関税定率法以外の関税に関する法律の規定により税額の確定が賦課課税方式によるものとされている関税につき課税標準の申告があった場合(輸入許可前引取承認があった場合を除く。)において、当該申告に係る貨物の輸入の許可前に納税の告知をするとき………当該貨物の輸入の日 ②関税法・関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税のうち貨物の公売又は売却による代金をもつて充てる関税以外のものにつき納税の告知をする場合 ………その納税告知書の送達に要すると見込まれる期間を経過した日 ③前二号に掲げる場合以外の場合において、関税につき納税の告知をするとき ………その納税告知書を発する日の翌日から起算して1月を経過する日 |
[関税法]第9条の5(納付受託者に対する納付の委託)
1 関税を納付しようとする者は、次の各号のいずれにも該当する場合には、納付受託者に納付を委託することができる。
①当該関税の税額が財務省令で定める金額以下である場合
具体的には……… ・クレジットカードを使用する方法により関税を納付する場合………納付しようとする内国消費税等及び関税の税額の合計額が1,000万円未満であり、かつ、当該関税を納付しようとする者のクレジットカードによって決済することができる金額以下である場合 ・第三者型前払式支払手段による取引等により関税を納付する場合………納付しようとする関税の税額(内国消費税等の納付を関税の納付と併せて行う場合にあっては、納付しようとする内国消費税等及び関税の税額の合計額)が100万円以下であり、かつ、当該関税を納付しようとする者が使用する第三者型前払式支払手段による取引等によって決済することができる金額以下である場合 |
②インターネットその他の高度情報通信ネットワークを使用して行う納付受託者に対する通知………に基づき納付しようとする場合
2~3 略
[関税法]第9条の6(納付受託者)
1 関税の納付事務を適正かつ確実に実施することができると認められる者であり、かつ、一定の要件に該当する者として財務大臣が指定するもの(納付受託者)は、関税を納付しようとする者の委託を受けて、納付事務を行うことができる。
2~4 略
[関税法]第9条の7(納付受託者の納付)
1 納付受託者は、第9条の5第1項(納付受託者に対する納付の委託)の規定により関税を納付しようとする者の委託を受けたときは、一定の日までに当該委託を受けた関税を納付しなければならない。
2~4 略
一定の日……… 納付受託者が関税法第9条の5第1項(納付受託者に対する納付の委託)の規定により関税を納付しようとする者の委託を受けた日の翌日から起算して11取引日を経過した最初の取引日(災害その他やむを得ない理由によりその日までに納付することができないと財務大臣が認める場合には、その承認する日) |
[関税法]第14条(更正、決定等の期間制限)
1 関税についての更正、決定又は賦課決定は、これらに係る関税の法定納期限等から5年(賦課課税方式が適用される関税で課税標準の申告があったものに係る賦課決定については、3年)を経過した日以後においては、することができない。
2 前項の規定により更正をすることができないこととなる日前6月以内にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴って行われることとなる過少申告加算税、無申告加算税若しくは重加算税についてする賦課決定は、………当該更正の請求があった日から6月を経過する日まで、することができる。
3 第1項の規定により賦課決定をすることができないこととなる日前3月以内にされた期限後特例申告書の提出又は修正申告に伴って行われることとなる無申告加算税についてする賦課決定は、………期限後特例申告書の提出又は同号の修正申告があった日から3月を経過する日まで、することができる。
4 偽りその他不正の行為により関税を免れ、又は関税を納付すべき貨物について関税を納付しないで輸入した場合における当該貨物に係る関税についての更正、決定又は賦課決定は、………法定納期限等から7年を経過する日まで、することができる。
5 第1号に掲げる事由が生じた場合において、第2号に掲げる事由に基づいてする関税についての更正、決定又は賦課決定は、………特恵受益国等の権限ある当局等に対し要請に係る書面が発せられた日から3年を経過する日まで、することができる。
①税関職員が、貨物の輸入者に輸入申告に際しての提出書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)の提示又は提出を求めた場合において、その提示又は提出を求めた日から60日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して税関職員が指定する日までにその提示又は提出がなかったこと(当該輸入者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)。
②略
6 更正の請求をすることができる期限について期間の計算及び期限の特例の規定又は災害等による期限の延長の規定の適用がある場合において、これらの規定により更正の請求をすることができることとされる期間にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴って行われることとなる過少申告加算税、無申告加算税若しくは重加算税についてする賦課決定は、………当該更正の請求があった日から6月を経過する日まで、することができる。
7 この条において「法定納期限等」とは、当該関税(過少申告加算税、無申告加算税又は重加算税にあっては、その納付の起因となった関税)を課される貨物を輸入する日(輸入の許可を受ける貨物については、当該許可の日)とする。ただし、次の各号に掲げる関税については、当該各号に定める日又は期限とする。
①特例申告貨物につき納付すべき関税………特例申告書の提出期限
②輸入許可前貨物引取承認を受けて引き取られた貨物につき納付すべき関税………当該承認の日
③税関長の承認を受けて受け取られた郵便物につき納付すべき関税………当該承認の日
④相殺関税若しくは不当廉売関税の規定により課する遡及課税又は変更され、若しくは継続される同条第一項の規定により課する関税 当該関税を課することができることとなった日
⑤関税法又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税………当該事実が生じた日
[関税法]第72条(関税等の納付と輸入の許可)
関税を納付すべき外国貨物については、特例申告貨物が輸入される場合(担保の提供を命ぜられた場合において当該担保が提供されていないときを除く。)又は関税の納期限が延長される場合を除き、関税(過少申告加算税並びに重加算税を除く。)が納付された後(納付受託者に対し関税の納付を委託する場合においては、納付受託者が当該委託を受けた後とし、担保として提供された金銭又は金銭以外の担保物の公売の代金をもって関税に充てる場合においては、その手続が完了した後とし、関税定率法上の相殺関税又は不当廉売関税の規定により担保の提供を命ぜられた場合においては、当該担保が提供され、かつ、同法別表の税率による関税が納付された後とする。)でなければ、輸入を許可しない。外国貨物に係る内国消費税及び地方消費税(これらに係る過少申告加算税及び当該過少申告加算税に代えて課される重加算税を除く。)の納付についても、その納期限が延長される場合その他一定の場合を除き、また同様とする。
2.確認問題
【第1問】51回 関税法第1問
次の記述は、関税法における用語の定義に関するものであるが、( )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。
関税法第14条第1項(更正、決定等の期間制限)に規定する「法定納期限等」とは、関税(過少申告加算税、無申告加算税又は( イ )にあっては、その納付の起因となった関税)を課される貨物を輸入する日(輸入の許可を受ける貨物については、( ロ ))とされている。ただし、次の?から?までに掲げる関税については、それぞれに定める日又は期限とされている。
(1) 特例申告貨物につき納付すべき関税 特例申告書の( ハ )
(2) 関税法第73条第1項(輸入の許可前における貨物の引取り)の規定により税関長の承認を受けて引き取られた貨物につき納付すべき関税 ( ニ )
(3) 関税法又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている関税 ( ホ )
①延滞税、②重加算税、③受理日、④提出期限、⑤提出日、
⑥当該貨物の引取りの日、⑦当該貨物の輸入申告の日、⑧当該許可の日、
⑨当該許可の日から起算して1月を経過する日、⑩当該許可の日の翌日から起算して1月を経過する日、
⑪当該事実が生じた日、⑫当該事実を税関長が知った日、⑬当該事実を税関長に通報した日、⑭当該承認の日、⑮利子税
【第2問】55回 関税法第8問
次の記述は、関税の納期限に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 税関長は、災害その他やむを得ない理由により、関税の納期限までに当該関税の納付をすることができないと認める場合には、財務大臣が当該理由に係る地域及び期日を指定する前であっても、納税者の申請により、期日を指定して当該納期限を延長することができる。
2 特例輸入者が、期限内特例申告書を提出し、かつ、その特例申告に係る関税を納付すべき期限に関し、特例申告書の提出期限までにその延長を受けたい旨の申請書を税関長に提出した場合において、当該税関長が関税法第7条の8第1項の規定による担保の提供を命ずる必要がないと認めるときは、当該税関長は、その関税額の全部について当該納付すべき期限を2月以内に限り延長することができる。
3 特例輸入者は、特例申告書の提出期限後に特例申告を行った場合には、当該特例申告に係る関税に併せて、特例申告書の提出期限の翌日から当該関税を納付する日までの日数に応じた延滞税を納付しなければならない。
4 輸入の許可前における貨物の引取りの承認を受けて引き取った貨物に係る税額につき、関税法第7条の17の規定による税関長の通知を受けた者は、その通知の書面に記載された税額に相当する関税を、当該通知の送達に要すると見込まれる期間を経過した日として当該書面に記載された期限までに納付しなければならない。
5 納税者は、関税を納付すべき外国貨物について、関税法第9条の5第1項の規定により関税の納付を委託する場合においては、同法第9条の6第1項に規定する納付受託者がその委託を受けた後であれば、当該納付受託者が当該関税を納付する前であっても、輸入の許可を受けることができる。
【第3問】54回 関税法第18問
次の記述は、関税の納期限に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 賦課課税方式が適用される関税を納付すべき物を内容とする郵便物であって、税関長が当該郵便物に係る関税の課税標準及び税額を、書面により、日本郵便株式会社を経て名宛人に通知したものを、受け取ろうとする者は、当該郵便物を受け取る前に、当該書面に記載された税額に相当する関税を納付し、又はその納付を日本郵便株式会社に委託しなければならない。
2 期限内特例申告書に記載された納付すべき税額に相当する関税については、その特例申告書の提出期限までに納付しなければならない。
3 輸入の許可後にされた更正に基づき過少申告加算税が課された場合において、当該過少申告加算税に係る賦課決定通知書を受けた者は、その通知書に記載された金額の過少申告加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならない。
4 輸入の許可後にした修正申告に係る書面に記載された納付すべき税額に相当する関税については、当該修正申告をした日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならない。
5 無申告加算税に係る賦課決定通知書を受けた者は、その通知書に記載された金額の無申告加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日までに納付しなければならない。
・応用動画
【条文順通関士講座】通関士試験前日まで、あと24週(仮)【プラス】
3.次回の内容
「⑩不服申立て」をマスターする!