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1.今回の内容
2025年度通関士試験「通関実務」計算問題を振り返る。
2.2025年本試験 通関実務
第8問 WTO加盟国で生産された下表1の品目について、特恵税率により一の輸入(納税)申告書で輸入申告をし、輸入の許可を受けたが、当該許可後において、特恵受益国の原産品とは認められず、特恵税率の適用を受けることができないことが判明し、関税法第7条の16の規定に基づき更正がされることとなった。また、当該更正により納付すべき関税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税が課されることとなった。下表2の実行関税率表(抜粋)を参照して、当該過少申告加算税の額を計算し、その額をマークしなさい。
(表1)
| 品名 | 課税価格 | 品名番号 |
| 手袋 | 30,566,942円 | 6216.00-900 |
(表2)
実行関税率表(抜粋)
| 番号 | 統計細分 | 品名 | 税率 | ||
| 基本 | WTO協定 | 特恵 | |||
| 6216.00 | 手袋、ミトン及びミット | ||||
| 100 | 1 剣道用の小手 | 無税 | (6.5%) | ||
| 900 | 2 その他のもの | 7.8% | 6.5% | 5.2% | |
第9問 次に掲げる条件のもとで、本邦への輸入の際に納付すべき関税額が最も小さくなる場合における当該関税額を計算し、その額をマークしなさい。なお、問題文に記載されている材料以外の材料、費用等は考慮しないものとする。
1 WTO加盟国であるイタリアから、革製のハンドバッグ30個を課税価格2,518,900円で本邦に直接運送し輸入する。
2 当該ハンドバッグ1個当たりのFOB価格は、78,440円とする。
当該ハンドバッグ1個の生産においては、その材料として、下表1に掲げるものを使用し、イタリアで縫製等の製造を行うものとする。なお、当該ハンドバッグ30個の生産において使用する材料は、全て同様のものとする。
(表1)
| 材料 | 価格 |
| イタリアの原産材料である革 | 27,200円 |
| 英国の原産材料である革 | 31,000円 |
3 当該ハンドバッグに適用される関税率は、下表2に掲げる税率のいずれかとする。
(表2)
| 税率 | |||
| WTO協定 | 日EU・EPA | 日英EPA | |
| ハンドバッグ | 8.0% | 2.2% | 2.0% |
(注)
日EU・EPA:経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定
日英EPA :包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定
4 日EU・EPA又は日英EPAに規定する原産地規則は、いずれも以下のとおりとする。
《原産品の要件》
革製のハンドバッグについては、その経済連携協定の締約国内において生産が行われ、当該締約国から本邦に向けて直接運送されたものであり、かつ、その原産材料割合が60%以上のものは、当該経済連携協定の規定に基づく当該締約国の原産品とする。
原産材料割合の算定については、次の数式を適用する。
原産材料割合(%)=(FOB価格-VNM)/FOB価格×100
この場合において、「VNM」とは、産品の生産において使用された非原産材料の価格を合計した価額をいう。
第10問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 本邦の輸入者M(買手)は、A国の輸出者であり電子機器の製造者でもあるX(売手)との間において、当該電子機器1,000台に係る売買契約を締結し、その全量を輸入する。
2 MとXとの間の当該売買契約には、次の事項が定められている。
イ 単価(CIF価格)……………8,000円/台
ロ 契約数量…………………………1,000台
ハ 上記単価は、当該売買契約に含まれない貨物に係る損害賠償金に相当する金額を値引きした後の価格である旨
ニ 当該電子機器は、Mに引き渡される前、A国の倉庫及び積替え国であるB国の倉庫でそれぞれ一時保管され、その保管に要する費用はMが負担する旨
ホ Mが自己のために行う当該電子機器の広告宣伝に要する費用は、当該広告宣伝がXの利益になるか否かにかかわらず、Mが負担する旨
3 Mは、当該売買契約に含まれない貨物に関し、Xに対して損害賠償金を求償していた。MとXは、当該売買契約における単価について当該損害賠償金に相当する値引きを行うことに合意し、当該電子機器1 台当たり1,500円の値引き後の価格により売買契約を締結した。Mは、当該値引き後の価格によりXに支払いを行った。
4 Mは、当該電子機器の代金とは別に、当該電子機器の輸入に関し、次に掲げる費用を負担する。
イ A国の倉庫における当該電子機器の保管に要した費用……………………………………50,000円
ロ 積替え国であるB国の倉庫における当該電子機器の保管に要した費用…………………30,000円
ハ Mが自己のためのみに行う当該電子機器の広告宣伝に要した費用………………………35,000円
ニ Mが自己のため及びXの利益になる当該電子機器の広告宣伝に要した費用……………25,000円
5 MとXとの間には、特殊関係はない。
第11問 次の情報に基づき、輸入者Mが輸出者Xから1回目に輸入するDVDに係る課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 本邦の輸入者M(買手)は、映画が記録されたDVDを合計7,000枚輸入するため、A国の輸出者であり当該映画の製作・配給会社でもあるX(売手)との間において、当該DVDに係る売買契約を締結している。Mは1回目の輸入として、当該数量のうち4,000枚を輸入することとしている。
2 MとXとの間の当該売買契約には、次の事項が定められている。当該DVDの単価(FOB価格)は2,000円とされており、その内訳はロからホまでのとおりである。
イ 契約数量…………………………………………………7,000枚
ロ DVDに記録されている映画の価格……………1,230円/枚
ハ DVD本体(キャリアメディア)の価格……………140円/枚
ニ DVDへの映画の記録費用…………………………370円/枚
ホ DVDの容器(通常の容器)の費用…………………260円/枚
3 Mは、当該DVDの代金とは別に、当該DVDに付されているXの商標の使用に伴う対価(ロイヤルティ)として、当該DVD1枚当たり100円をXに支払う旨、当該売買契約において取り決められている。
4 Mは、1回目の輸入に関連して、当該DVDがA国から本邦の輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料として98,000円を負担する。
5 MとXとの間には、特殊関係はない。
第12問 次の情報に基づき、輸入者Mが輸入する精密測定機器200台について、関税定率法第4条の2に規定する同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定方法により課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 本邦の輸入者Mは、A国の生産者Xから無償で精密測定機器200台を輸入する。
2 上記1の精密測定機器と同種又は類似の輸入貨物に係る取引価格について、次に掲げるものが確認されている。これらはいずれも当該精密測定機器の本邦への輸出の日に近接する日に貨物が本邦へ輸出されており、かつ、関税定率法第4条第1項の規定を適用して課税価格が計算された事例である。また、単価については取引数量により変わらないものであり、いずれもCIF価格である。
イ MがA国の生産者Yから同種の貨物200台を輸入した時の当該貨物の取引価格……………45,500円/台
ロ MがA国の生産者Zから類似の貨物300台を輸入した時の当該貨物の取引価格……………44,000円/台
ハ 輸入者LがXから類似の貨物200台を輸入した時の当該貨物の取引価格……………………44,500円/台
ニ 輸入者NがXから同種の貨物300台を輸入した時の当該貨物の取引価格……………………45,000円/台
ホ 輸入者LがXから同種の貨物300台を輸入した時の当該貨物の取引価格……………………46,000円/台
3 Mは、当該精密測定機器の運送に使用するためのコンテナーに関して、A国において要するコンテナー・サービス・チャージとして、当該運送を請け負う者に対し20,000円を支払うことになっている。
4 当該精密測定機器に係る輸入取引と当該同種又は類似の輸入貨物に係る輸入取引との間における差異は、これらの貨物の価格に影響を及ぼしていない。
