※ライブ配信後に、この動画を視聴するには、YouTubeのメンバーシップ(有料)への加入が必要です※
1.今回の内容
関税定率法① 「課税価格の決定」を確認する!
2.ピックアップ問題(第58回通関士試験(令和6年))
①関税法等 第13問
次の記述は、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき輸入貨物の課税価格を計算する場合に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1 輸入取引の契約において、FOB契約により買手が輸入港までの運賃を負担し、船舶により運送されることとされていた輸入貨物が航空機によって運送された場合には、航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例の規定の適用を受ける場合を除き、その運送方法の変更に伴う費用の額は、その負担者を問わず、現実支払価格に加算するが、当該費用の額が当該輸入取引の契約における取決めに従って売手により負担されるときは、その売手により負担される額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱うこととされている。
2 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に係る保険料は課税価格に算入することとされているが、国内運送に係る保険料は、いかなる場合でも課税価格に含まれないこととされている。
3 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用は課税価格に算入することとされており、この「その他当該運送に関連する費用」には、当該輸入貨物につき現実支払価格に含まれていない限度において、輸出の際に税関手続等に要した費用を含むこととされている。
4 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で直接に提供された当該輸入貨物に組み込まれている材料である物品のうち、当該買手と特殊関係にない者から当該買手が取得したものについては、当該物品を取得するために当該買手が通常要する費用が課税価格に加算されるが、この「通常要する費用」には、一般的な競争的条件の下に輸入貨物の買手が当該物品を購入するとした場合に、その購入のために通常必要とされる費用を含むこととされている。
5 輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて、買手により支払われた当該輸入貨物を本邦において再販売するための権利を取得するための対価は、当該輸入貨物の輸入取引をするために支払われたものでない場合であっても、当該輸入貨物の課税価格に算入することとされている。
②関税法等 第24問
次の記述は、関税の課税価格の計算方法に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、正しい記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 関税定率法第4条第1項第1号に規定する「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合は、当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいうが、コンテナー賃借料についてはいかなる場合も当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
2 輸入貨物の輸入港までの輸送に実際に要した運賃等の額が、当該輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額をわずかでも超えるときは、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等を関税定率法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等として、当該輸入貨物の課税価格を計算する。
3 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により売手に無償で燃料及び触媒が提供された場合において、当該燃料及び触媒が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたときは、当該燃料及び触媒に要した費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
4 複数の輸入貨物に係る関税定率法第4条第1項第2号に掲げる手数料が一括して支払われる場合には、当該手数料を個々の輸入貨物の数量等に応じた合理的な方法により按分して、当該輸入貨物の課税価格に算入することとされているが、輸入者から希望する旨の申し出があった場合は、課税上の支障の有無にかかわらず、当該手数料を特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとされている。
5 売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販売される貨物については、当該貨物が売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される場合を除き、輸入取引によらない輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき当該輸入貨物の課税価格を決定することはできないこととされている。
3.①の解説と条文の確認
1 輸入取引の契約において、FOB契約により買手が輸入港までの運賃を負担し、船舶により運送されることとされていた輸入貨物が航空機によって運送された場合には、航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例の規定の適用を受ける場合を除き、その運送方法の変更に伴う費用の額は、その負担者を問わず、現実支払価格に加算するが、当該費用の額が当該輸入取引の契約における取決めに従って売手により負担されるときは、その売手により負担される額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱うこととされている。
条文の確認………関税定率法基本通達 4-8(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)
関税定率法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(5) 略
(6)輸入港までの運賃等は、買手により負担されるものであるか否かを問わず、( ① )に含まれていない限度において、当該現実支払価格に加算する。例えば、次に掲げる場合は、それぞれに定めるところにより取り扱う。
イ 略
ロ 輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を買手が負担することとされている場合(FOB 契約等の場合)は、当該運賃は現実支払価格に含まれていないものとして取り扱い、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を、その負担者を問わず、当該現実支払価格に加算する。
ハ 輸入取引に係る契約において( ② )により運送されることとされていた輸入貨物が航空機によって運送された場合の取扱いは、法第4条の6第1項((航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例))の規定の適用を受ける場合を除き、次による。
(イ)当該契約において売手が輸入港までの運賃を負担することとされていた場合(CFR又はCIF契約等の場合)は、当該運送方法の変更に伴う費用を買手が負担するときは、買手による当該負担額を現実支払価格に加算するが、当該運送方法の変更に伴う費用を売手が負担するときは、売手による当該負担額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱う。
(ロ)当該契約において買手が輸入港までの運賃を負担することとされていた場合(FOB契約等の場合)は、当該運送方法の変更に伴う費用の額を、その負担者を問わず、現実支払価格に加算する。ただし、当該運送方法の変更に伴う費用が、当該契約における取決めに従って( ③ )により負担される場合は、売手による当該負担額は現実支払価格に含まれているものとして取り扱う。
(7)~(8) 略
類似問題
・輸入取引に係る契約において輸入貨物の輸入港までの運賃を買手が負担することとされている場合には、当該輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用の額を、その負担者を問わず、当該輸入貨物の課税価格に含める。
2 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に係る保険料は課税価格に算入することとされているが、国内運送に係る保険料は、いかなる場合でも課税価格に含まれないこととされている。
条文の確認………関税定率法基本通達 4-8(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)
関税定率法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(6) 略
(7)輸入港までの運賃等は、次に掲げるような輸入貨物の( ① )の運賃等を含まない。ただし、当該輸入港到着後の運賃等の額が明らかでなく、当該明らかでない額を含んだものとしてでなければ把握できない場合は、当該明らかでない額を含んだ額を輸入港までの運賃等として取り扱う。
イ 輸入港における船卸し等の費用(例えば、船内荷役、沿岸荷役その他これらに類する荷役のための費用)
ロ 輸入港到着後に行われた船舶の復旧に係る費用
ハ ( ② )運賃
ニ 航海用船契約に基づき輸入貨物の運送をした船舶の復路の空船回漕料
ホ 輸入税保険(Duty Insurance)に係る保険料
ヘ 国内運送に係る( ③ )
ト 輸入貨物の運送に関連する「着払運賃取扱料」(Collect Charge)及び「立替手数料」(Disbursement Fee)
(8) 略
類似問題
・買手が運送業者に支払う輸入貨物の運賃に当該輸入貨物が本邦の輸入港に到着した後の国内運送に要する運賃が含まれている場合において、当該国内運送に要する運賃の額を明らかにすることができないときは、運送業者に支払う総額が課税価格に算入される。
3 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用は課税価格に算入することとされており、この「その他当該運送に関連する費用」には、当該輸入貨物につき現実支払価格に含まれていない限度において、輸出の際に税関手続等に要した費用を含むこととされている。
条文の確認………関税定率法 第4条(課税価格の決定の原則)
1 輸入貨物の課税標準となる価格(課税価格)は、一定の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引(買手が本邦に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものを有しない者であるものを除く)がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は( ① )に、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(輸出国において輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の公課を除くものとする)に、その( ② )において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(取引価格)とする。
(1)当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用(輸入港までの運賃等)
(2)~(5) 略
2~3 略
条文の確認………関税定率法基本通達 4-8(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)
法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(4) 略
(5)「その他当該運送に関連する費用」とは、輸入貨物の輸入港までの運送に付随して発生する積卸しその他の役務の対価として支払われる費用をいい、次に掲げる費用を含む。
イ 輸出国における積込み前の一時的保管料
例えば、輸出国の工場渡価格で購入された貨物が、船積予定船の到着遅延により、当該船舶が到着するまでの間一時的に輸出港で保管される場合の当該保管に要する費用
ロ ( ③ )の際に税関手続等に要した費用
ハ 輸出国において要したコンテナー・サービス・チャージ
(6)~(8) 略
類似問題
・輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用は課税価格に算入することとされており、「その他当該運送に関連する費用」には、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まれていない限度において、輸出国において要したコンテナー・サービス・チャージが含まれる。
4 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で直接に提供された当該輸入貨物に組み込まれている材料である物品のうち、当該買手と特殊関係にない者から当該買手が取得したものについては、当該物品を取得するために当該買手が通常要する費用が課税価格に加算されるが、この「通常要する費用」には、一般的な競争的条件の下に輸入貨物の買手が当該物品を購入するとした場合に、その購入のために通常必要とされる費用を含むこととされている。
条文の確認………関税定率法 第4条(課税価格の決定の原則)
1 輸入貨物の課税標準となる価格(課税価格)は、一定の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(取引価格)とする。
(1)~(2) 略
(3)当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により( ① )直接又は間接に提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要する費用
イ 当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの
ロ 当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの
ハ 当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品
ニ 技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの
(4)~(5) 略
2~3 略
条文の確認………関税定率法施行令 第1条の5(課税価格に含まれる運賃等)
1 略
2 関税定率法第4条第1項第3号イからハまでに掲げる物品に要する費用は、次のいずれかに掲げる物品の区分に応じ、当該次に定める費用に当該物品を輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して提供するために要した運賃、保険料その他の費用であって買手により負担されるものを加算した費用とする。この場合において、当該物品につき加工、改良その他の価値を増加させるための行為による価値の増加又は使用による減耗、変質その他のやむを得ない理由による価値の減少((1)に掲げる物品については当該物品が生産された後当該買手により当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して提供されるまでの間の価値の増加又は価値の減少に限り、(2)に掲げる物品については当該物品が当該買手に取得された後当該買手により当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して提供されるまでの間の価値の増加又は価値の減少に限る。)があったときは、当該価値の増加又は価値の減少に相当する額を加算又は控除するものとする。
(1)当該買手が自ら生産した物品又は当該買手と特殊関係にある者が生産した物品であって当該買手が当該者から直接に取得したもの 当該物品の生産に要した費用
(2)(1)に掲げる物品以外の物品 当該買手が当該物品を取得するために( ② )費用
3~5 略
条文の確認………関税定率法基本通達 4-12(課税価格に含まれる物品又は役務に要する費用)
法第4条第1項第3号の費用に関する取扱いについては、次による。
(1)~(4) 略
(5)令第1条の5第2項第2号に規定する「当該買手が当該物品を取得するために通常要する費用」及び同条第4項第2号に規定する「当該買手が当該役務の提供を受けるために通常要する費用」とは、( ③ )な競争的条件の下に輸入貨物の買手が当該物品又は当該技術等を購入又は賃借をするとした場合に、その購入又は賃借のために通常必要とされる費用をいう。例えば、買手が自己と特殊関係にある者から、当該特殊関係による影響を受けた価格により当該物品を購入するような場合には、一般的な競争的条件の下に買手が当該物品を購入していないことから、当該価格に基づく費用を「通常要する費用」とすることはできない。
(6) 略
類似問題
・輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された当該輸入貨物に組み込まれている部分品については、課税価格に含まれる。
5 輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて、買手により支払われた当該輸入貨物を本邦において再販売するための権利を取得するための対価は、当該輸入貨物の輸入取引をするために支払われたものでない場合であっても、当該輸入貨物の課税価格に算入することとされている。
条文の確認………関税定率法 第4条(課税価格の決定の原則)
1 輸入貨物の課税標準となる価格(課税価格)は、一定の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(取引価格)とする。
(1)~(3) 略
(4)当該輸入貨物に係る特許権、意匠権、商標権その他これらに類するもの(当該輸入貨物を本邦において複製する権利を除く。)で一定のものの使用に伴う対価で、当該輸入貨物に係る( ① )その他の事情からみて当該輸入貨物の輸入取引をするために買手により直接又は間接に支払われるもの
(5) 略
2~3 略
条文の確認………定率法基本通達 4-13(課税価格に含まれる特許権等の対価)
関税定率法第4条第1項第4号に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(5) 略
(6)輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて、買手により支払われた当該輸入貨物を本邦において頒布し又は( ② )するための権利を取得するための対価は、当該輸入貨物の( ③ )をするために支払われたものでないときは、当該輸入貨物の課税価格に算入しない。
(7) 略
類似問題
・輸入貨物に係る取引の状況その他の事情からみて、買手により支払われた当該輸入貨物を本邦において頒布するための権利を取得するための対価は、当該輸入貨物の輸入取引するために支払われたものでないときは、当該輸入貨物の課税価格に算入しない。
4.②の解説と条文の確認
1 関税定率法第4条第1項第1号に規定する「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合は、当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいうが、コンテナー賃借料についてはいかなる場合も当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
条文の確認………関税定率法 第4条(課税価格の決定の原則)
1 輸入貨物の課税標準となる価格(課税価格)は、一定の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引(買手が本邦に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものを有しない者であるものを除く)がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(輸出国において輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の公課を除くものとする)に、その含まれていない限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(取引価格)とする。
(1)当該輸入貨物が( ① )に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用(輸入港までの運賃等)
(2)~(5) 略
2~3 略
条文の確認………関税定率法基本通達 4-8(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)
法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(2) 略
(3)「輸入港に到着するまでの運送に要する運賃」とは、輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用をいい、当該輸入貨物の輸出港までの運送費用を含み、次に掲げる場合には、それぞれに定めるところによる。
イ 輸入貨物が運送契約に基づき運送された場合は、当該運送契約に基づき当該運送の対価として運送人又は運送取扱人等に最終的に支払われる費用をいい、次の(イ)から(ハ)に掲げる費用を含む。
なお、輸入貨物が最低運賃(Minimum Freight)又はパーセル運賃(Parcel Freight)が適用される少量貨物である場合は、実際に支払われる当該最低運賃又はパーセル運賃をいう。また、輸入貨物が積載数量を特約した航海用船契約に基づき運送された場合は、実際の積載数量が当該特約数量に満たなかったときであっても、当該契約に基づき実際に支払われた運賃をいう。ただし、実際の積載数量が特約数量より著しく少ない場合には、当該支払われた運賃に合理的な調整を加えて「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」を計算する。
(イ)輸入貨物を運送するために要した積付資材費、船舶改装費等の費用
(注)当該費用が2回以上の運送のためのものであるときは、原則として、運送回数、数量等を考慮してあん分した当該運送に要した額
(ロ)為替相場の変動による補てん金
(ハ)コンテナー賃借料(輸入港到着日(入港日を含む。)までの期間に対応する額が明らかな場合には、当該賃借料の額は、当該期間に対応する額によるものとし、輸入港到着日の( ② )の期間に対応する額を含まないものとする。)
ロ~ヘ 略
(4)~(8) 略
類似問題
・輸入貨物を輸入港まで運送するために使用するコンテナーについて、買手が運賃とは別に当該コンテナーの賃借料を船会社に支払う場合には、当該コンテナーの賃借料の額は当該輸入貨物の課税価格に算入されない。
2 輸入貨物の輸入港までの輸送に実際に要した運賃等の額が、当該輸入貨物の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額をわずかでも超えるときは、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等を関税定率法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等として、当該輸入貨物の課税価格を計算する。
条文の確認………関税定率法基本通達 4-8(課税価格に含まれる輸入港までの運賃等)
法第4条第1項第1号の規定に関する用語の意義及び取扱いについては、次による。
(1)~(7) 略
(8)輸入港までの運賃等は、輸入貨物(法第4条の6第1項((航空運送貨物に係る課税価格の決定の特例))に規定する貨物に該当するものは除く。)の運送が特殊な事情の下において行われたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃等の額が当該輸入貨物の( ① )とされる当該輸入港までの運賃等の額を( ② )ものである場合には、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等による(令第1条の5第1項)。この場合において、「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」とは、当該貨物の種類及び数量並びに運送条件(運送手段の種類、運送経路等をいう。)等を勘案して、通常必要とされると認められる輸入港までの運送のための運賃等をいい、例えば、次に掲げる場合は、「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合」に該当するものとして、それぞれに定める運賃等を「通常必要とされる当該輸入港までの運賃等」として取り扱う。
イ 輸入貨物の輸入取引に係る契約(運送条項を含む契約に限る。)又は輸入貨物の運送契約の成立の時以後に、天災、戦争、動乱、港湾ストライキ等当該貨物の輸出者(売手を含む。)又は輸入者(買手を含む。)の責めに帰し難い理由により、当該契約に基づく運送方法及び運送経路により運送することができなかった場合・・・・・・実際の運送方法及び運送経路のいかんにかかわらず、当該契約が前提とする運送方法及び運送経路により運送されたものとした場合の通常の運賃
ロ 略
類似問題
・関税定率法第4条第1項第1号に規定する輸入港までの運賃等は、輸入貨物(同法第4条の6第1項(航空運送貨物等に係る課税価格の決定の特例)に規定する貨物に該当するものを除く。)の運送が、当該輸入貨物の運送契約成立の時以後に、輸出者又は輸入者の責めに帰し難い理由に起因して当該契約に基づく運送方法及び運送経路以外の方法及び経路で運送されたことにより、当該輸入貨物の実際に要した当該輸入港までの運賃等の額が当該輸入貨物の通常必要とされる当該輸入港までの運賃等の額を著しく超えるものである場合には、当該通常必要とされる当該輸入港までの運賃等とすることとされている。
3 輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により売手に無償で燃料及び触媒が提供された場合において、当該燃料及び触媒が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたときは、当該燃料及び触媒に要した費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含めないこととされている。
条文の確認………関税定率法 第4条(課税価格の決定の原則)
1 輸入貨物の課税標準となる価格(課税価格)は、一定の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(取引価格)とする。
(1)~(2) 略
(3)当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引きをして( ① )提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要する費用
イ 当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの
ロ 当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの
ハ 当該輸入貨物の( ② )で消費された物品
ニ 技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの
(4)~(5) 略
2~3 略
条文の確認………関税定率法基本通達 4-12(課税価格に含まれる物品又は役務に要する費用)
法第4条第1項第3号の費用に関する取扱いについては、次による。
(1)~(2) 略
(3)法第4条第1項第3号ハに規定する「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」には、燃料、触媒等を含むものとする。
(4)~(6) 略
類似問題
・輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により売手に無償で燃料が提供された場合において、当該燃料が当該輸入貨物の生産の過程で消費されたときは、当該燃料に要する費用の額は当該輸入貨物の課税価格に含まれる。
4 複数の輸入貨物に係る関税定率法第4条第1項第2号に掲げる手数料が一括して支払われる場合には、当該手数料を個々の輸入貨物の数量等に応じた合理的な方法により按分して、当該輸入貨物の課税価格に算入することとされているが、輸入者から希望する旨の申し出があった場合は、課税上の支障の有無にかかわらず、当該手数料を特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとされている。
条文の確認………関税定率法基本通達 4-7(現実支払価格への運賃等の加算)
(1)~(2) 略
(3)複数の輸入貨物に係る運賃等が( ① )して支払われる場合には、当該運賃等を個々の輸入貨物の数量等に応じた合理的な方法により按分して、当該輸入貨物の課税価格に算入するものとする。ただし、次に掲げる費用等の額の加算について輸入者から( ② )があり、かつ、課税上その他特に支障がないと認められるときは、当該費用等の額は、便宜特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとして差し支えない。
イ 略
ロ 関税定率法第4条第1項第1号、第2号、第4号及び第5号に掲げる費用等であって、個々の輸入貨物への按分が( ③ )と認められるもの
なお、本規定は、別払金がある場合において現実支払価格を算出するとき及び法第4条第1項の規定により課税価格を計算する方法以外の方法によって課税価格を計算する場合についても準用する。
類似問題
・複数の輸入貨物に係る関税定率法第4条第1項第2号に掲げる手数料が一括して支払われ、当該手数料について個々の輸入貨物への按分が困難と認められるものについて、輸入者から希望する旨の申し出があり、課税上その他特に支障がないと認められる場合には、当該手数料を特定の輸入貨物の課税価格に一括して算入することとされている。
5 売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販売される貨物については、当該貨物が売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される場合を除き、輸入取引によらない輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき当該輸入貨物の課税価格を決定することはできないこととされている。
条文の確認………定率法基本通達 4-1の2(課税価格の決定の原則により課税価格を決定することができない輸入貨物)
法第4条第1項の規定により課税価格を計算することができない輸入貨物は、次に掲げる貨物である。
(1)輸入取引によらない輸入貨物
例えば、次に掲げる貨物がこれに該当する。
イ 無償貨物(例えば、寄贈品、見本、宣伝用物品)
ロ 委託販売のために輸入される貨物(例えば、本邦において開催されるオークションで販売するために受託者により輸入される貨物)
ハ 売手の( ① )により輸入され、その後売手の計算と( ② )によって輸入国で販売される貨物
(注)売手の代理人により輸入される貨物であっても、売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される貨物は輸入取引による輸入貨物に該当することとなるので留意する。
ニ 賃貸借契約(買取権付であるか否かを問わない。)に基づき輸入される貨物
ホ 送り人の所有権が存続する貸与貨物(例えば、外国の発注者から本邦の製造者に貸与される注文品生産のための特殊機械)
ヘ 同一の法人格を有する本支店間の取引により輸入される貨物
ト 本邦で滅却するために、輸出者が輸入者に滅却費用を支払うことにより輸入される貨物(例えば、廃棄物、スクラップ)
(2)~(3) 略
類似問題
・売手の代理人により輸入される貨物で、売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入されるものは輸入取引による輸入貨物に該当し、関税定率法第4条第1項に規定する課税価格の決定の原則に基づき当該輸入貨物の課税価格を決定することができる。