【条文順通関士講座】2024年放送【7月27日】


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1.今回の内容

「関税定率法~課税価格の決定」を確認する!

2.予想問題

計算式

第1問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額を計算しなさい。

1 本邦の輸入者M(買手)は、A国の輸出者X(売手)との間で、電化製品に係る売買契約を締結し、当該売買契約により当該電化製品57台のうち37台については本邦に輸入し、残り20台についてはA国から直接B国に輸出する。

2 MとXとの間の当該売買契約には、次の事項が規定されている。
イ 単価(工場渡し価格)………85,000円/台
ロ 契約数量………57台
ハ 一契約当たりの購入数量に応じて、次の表のとおり値引きが与えられる旨

購入(契約)数量値引き率
20台以上50台未満の場合5%
50台以上100台未満の場合10%
100台以上の場合15%

3 上記輸入貨物を積載する予定の船舶の輸出港での手配が遅れたため、Mは、Xから引渡しを受けた当該輸入貨物を、当該船舶が到着するまでの間、A国の輸出港の倉庫に保管し、保管料(当該輸入貨物の搬出入に係る費用を含む。)として840,000円をA国の倉庫業者Cに支払う。

4 Mは、当該電化製品のA国のXの工場から本邦の倉庫までの運送費用及び保険料1,160,000円を負担するが、当該運送費用には、当該電化製品の輸入港到着後の国内運送に要する費用も含まれている。ただし、当該輸入港到着後の国内運送に要する費用の額は明らかではない。

5 M、X及びCとの間には、それぞれ特殊関係はない。

第2問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額を計算しなさい。

1 本邦の輸入者M(買手)は、A国の輸出者であり製造者でもあるX(売手)からアクセサリー700個を購入し、輸入する。
アクセサリー1個当たりの単価及び購入(契約)数量は、以下のとおりである。
単価(CIF価格)………3,250円/個
購入(契約)数量………700個

2 Mは、当該アクセサリーの買付けに関しMを代理するYに対し、当該買付けに係る業務の対価として250,000円を支払った。

3 Mは、特殊関係にないE国の工具メーカーからアクセサリーの製造に使用される工具を購入し、Xに無償で提供した。また、当該工具の購入にあたり、Mは、特殊関係にない本邦の金型メーカーから当該工具の生産に必要な金型を購入し、工具メーカーに無償で提供した。Mが当該工具の取得に要した費用は138,000円、当該金型の取得に要した費用は73,000円である。

4 Mは、Xとの間で締結したライセンス契約に基づき、貨物代金の支払に加えて、当該アクセサリーに係る商標使用権の対価として、本邦における当該製品の販売価格の5%のロイヤルティをXに支払うこととなっている。なお、Mは本邦において当該アクセサリーを1個当たり9,800円ですべて販売した。

5 Mは、当該ロイヤルティの20.42%に相当する額の源泉所得税を本邦の税務当局に納付し、当該所得税分を差し引いた分をXに支払った。なお、ライセンス契約において、当該源泉所得税をMが負担するとの規定はない。

6 MとXとの間には、特殊関係はない。

第3問 次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を、関税定率法第4条の3第1項の規定により、当該輸入貨物と同種の貨物に係る国内販売価格に基づき計算しなさい。

1 本邦の輸入者Mは、A国の生産者である輸出者Xとの間において、飲料(以下「輸入貨物」という。)7,500本を輸入する。

2 課税物件確定の時の属する日後加工の上、国内における売手と特殊関係のない買手に対する輸入貨物に係る国内販売が3件あり、当該国内販売3件に係るその単価及び当該単価ごとの販売に係る数量は次のとおりとする。

単価単価ごとの販売に係る数量
国内販売①620円5,000本
国内販売②632円3,750本
国内販売③590円5,250本

3 上記2の国内販売3件の輸入貨物に係る当該加工により付加された価額は、1本当たり10円とする。

4 上記2の国内販売3件の輸入貨物に係るA国のXの工場から輸入港までの運送に要する通常の運賃、保険料その他当該運送に関連する費用の額は1本当たり42円とする。

5 上記2の国内販売3件の輸入貨物に係る輸入港到着後に国内において販売するまでの運送に要する通常の運賃、保険料その他当該運送に関連する費用の額は、1本当たり30円とする。

6 輸入貨物と同類の貨物(同一の産業部門において生産された輸入貨物と同一の範疇に属する貨物)で輸入されたものの国内における販売に係る通常の手数料又は利潤及び一般経費の額(輸入港到着後に国内において販売するまでの運送に要する通常の運賃、保険料その他当該運送に関連する費用の額は含まないもの)は、1本当たり175円とする。

7 上記2の国内販売3件の同種の貨物に係る本邦において課された関税及び消費税(地方消費税を含む。)は、以下のとおりとする。

関税消費税(地方消費税を含む。)
国内販売①250,000円224,000円
国内販売②245,000円212,000円
国内販売③310,000円287,000円

◯×問題

1 輸入貨物に係る輸入取引に関し、一方の者と他方の者とが親族関係にある場合には、売手と買手との間に特殊関係があるとして関税定率法第4条第1項の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができない。

2 関税定率法第4条から第4条の9までの規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該計算の基礎となる額その他の事項の認定は、輸入者等の説明及び納税申告に係る添付書類の形式的記載内容のみに基づくのではなく、提出された当該輸入貨物に係る契約書等の内容が真の取引実態を反映したものか否かについて確認する等、当該輸入貨物に係る取引に関し判明した個別的な事実を総合的に考慮して行うものとする。

3 輸入貨物に係る輸入取引に関し、買手による当該輸入貨物の販売が認められる地域について制限がある場合には、関税定率法第4条第1項の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができない。

4 賃貸借契約に基づき輸入される貨物は、当該契約が買取権付賃貸借契約である場合に限り、関税定率法第4条第1項の規定により当該輸入貨物の課税価格を決定することができない。

5 輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用は課税価格に算入することとされており、「その他当該運送に関連する費用」には、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に含まれていない限度において、輸出国において要したコンテナー・サービス・チャージが含まれる。

6 外国のXと本邦のMとの間で貨物を本邦に到着させることを目的として締結された売買契約に基づいて外国から本邦へ向けて貨物が輸出された後、本邦への運送途上において、Mと本邦のYとの間で当該貨物を本邦に到着させることを目的とした売買契約が締結され、Yにより輸入された場合であっても、XとYとの間の売買が輸入取引となる。

7 輸入貨物であるワインボトルの生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で提供された物品のうち当該ワインボトルに貼付されているラベルで、食品衛生法又は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律により表示が義務付けられている事項のみが記載されているものに要する費用の額は課税価格に含まれない。

8 関税定率法第4条の2第1項又は第2項(同種又は類似の貨物に係る取引価格による課税価格の決定)の規定により輸入貨物の課税価格を計算する場合において、当該輸入貨物の生産者により生産された当該輸入貨物と同種の貨物に係る取引価格が二以上あるときは、当該取引価格のうち最大のものによるものとする。

9 輸入貨物の輸入取引に係る契約において売手が買手に対して当該輸入貨物に係る保証を履行することとなっている場合で、売手が負担する当該保証の費用を考慮して当該輸入貨物の価格が設定されているときは、当該費用は現実支払価格に含まれ、その額を明らかにすることができる場合であっても、現実支払価格から控除しない。

10 航空機により運送された輸入貨物のうち、無償の見本であって、その航空機による運賃及び保険料により計算した場合の課税価格が40万円のものについての輸入港に到着するまでの運送に要する運賃及び保険料は、航空機による運送方法以外の通常の運送方法による運賃及び保険料によるものとされている。